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EAP 従業員支援プログラム 概論

目次
1.EAPとはなにか?
2.歴史
3.背景
4.目的
5.組織
6.方法-1 啓蒙
7.方法-2 予防教育
8.方法-3 問題発見・評価
9.方法-4 医学的診断、治療
10.方法-5 コンサルテーション・カウンセリング・個別配慮
11.方法-6 休職者周辺関係者について、二次的リスクの防止
12.方法-7 制度の整備と法的リスクマネジメント

1.EAPとはなにか?

Employee Assistance Program の略で、従業員支援プログラムのことです。
EPA会社(EPAプロバイダー)があり、会社と契約します。従業員とその家族がメンタルの不調の場合、会社には秘密のままで、カウンセリングを受けることができます。必要ならば、医療サービスを紹介してもらえます。必要に応じて休職、復職が必要になりますが、その間の合理的なプログラムを提案します。

以上は治療的介入の部点ありであり、活動の中核となりますが、一方、メンタルヘルスの啓蒙、障害予防、職場環境の改善の提案、制度整備、法的リスク回避などの諸側面にわたって指導・助言します。

Company Assistance Program:CAP:会社支援プログラムと称して、会社の利益にもなることを明示する場合もあります。

2.歴史

EAPは戦後、米国で大企業の社員がアルコール依存症や薬物依存症になったときの対策として誕生しました。それが会社の業績、収益を著しく損ねたからです。
現在は、日本の社会的および文化的な特徴にあわせた現代型・日本型のEAPが研究されています。

3.背景

まず現代日本において、比較的大規模な企業における労働者は、どのような背景のもとで仕事をしているでしようか。

3-1.
終身雇用制度・年功序列型賃金が見直され、成果主義に移行する会社が多くあります。新しい働き方が求められる点では、かつての公社の民営化も同じでしたが、成果主義に移行して、社員へのプレッシャーが高まり、精神疾患へのリスクが高まることが統計により示されています。

3-2.
経営陣は、人員削減を行うことで、利益と株価の維持を図ることがありますが、残った社員の業務量が増加します。また、いつ自分もリストラされるかもしれないわけですから、不安を原因として、精神疾患のリスクが高まります。社員の精神的健康状態を積極的に把握する手段が必要と考えられ、また、そうした予防的対策が実際に収益を改善させています。

3-3.
CSR(企業の社会的責任)の観点から必要であることも論じられます。経営陣は株主や取引先だけに責任を負っているのではありません。従業員に対しても責任を果たすことが、これまで以上に社会から求められています。労働基準法などは雇用に関する最低ラインの水準ですが、それを満たすだけでなく、積極的に、従業員の精神疾患を予防し、早期発見し、早期解決することで、企業イメージを向上させることができます。そのことが企業価値を高めると考えられます。

3-4.
訴訟リスクを軽減できます。過労自殺や業務に起因すると考えられる疾病により死亡した場合、遺族が賠償責任を求める例が増加しています。最近では、うつ病に罹患したことに対し、社員自ら会社を訴えるケースも発生しています。会社は管理責任(安全配慮義務)を果たすことが必要になっています。

3-5.
ぎりぎりの人員で業務を負担している場合、うつ病に罹患した社員が発生すると、業務上の損害がどうしても発生します。しかし、余剰人員を抱え込むのは無駄です。人員を増やさず、精神健康管理をきめ細かく積極的に行なうことが合理的です。

3-6.
病気が発生したら、個人の問題として個別特殊例外的に対処していたのでは、会社の損失が大きくなります。そこで、精神疾患を予防したいと考えると、組織的取り組みが必要になります。

3-7.
セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメント、新人の退職願望、時間後の付き合いの減少など、労務管理の新しい流れにも対応する必要があります。

3-8.
メンタルヘルス問題は個人問題にとどまらず、チームとプロジェクトひいては企業経営に悪影響を及ぼす組織の課題であることが認識されています。したがって、メンタルヘルス問題は会社の制度の問題でもあるのです。

たとえば、超長時間勤務を考えてみましょう。長時間残業、徹夜や休日出勤にいたるまでさまざまありますが、1ヶ月の残業時間が200時間超という場合もあります。そのような長時間残業を前提として、生活していけるだけの給与が維持できる場合があるわけです。サービス残業の問題、持ち帰りの問題もあります。発症前2~6か月で月平均80時間を超えた場合は、業務との関連性が強く、さらに、発症前1か月間で、おおむね100時間を超えた場合、業務との関連性が強いとされています。

さらに、不規則な勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務、交替制勤務、深夜勤務、日常的に精神的緊張を伴う業務など、これらは制度の問題と考えられます。

3-9.
生産性管理をぎりぎりまで高めたとしても、精神疾患の発生をプログラミングしていない計画は、脆弱なものです。病気のために開発チームが崩壊し、プロジェクトが大幅に遅延したり頓挫したりするのは経営上の大きな損失となります。発病までいかなくても、限度を超えた長時間労働のために重症の寝不足になり、集中力や判断力が低下して、ケアレスミスが起こりやすくなります。限度を超えた慢性的持続的なストレスにさらされると、誰もが我慢しつづけられるわけでなく、転職や独立を考えだすようになり人材の喪失を招きかねないのです。つまり、生産性を上げることの一方で、精神衛生管理をきめ細かく行なうことではじめて、強い組織になるのです。

3-10.プライバシーと守秘義務
個人のプライバシーに充分配慮し、決定の事業主義務(記録保管等)遂行ならびに周囲への危害等の危険性がある場合を除き、この仕組みの中で個人情報が会社に通知される事はありません。 『個人のプライバシーについて一切開示しない(産業医も含め)』契約です。ただし、本人の合意がある場合に限っては、会社へ情報開示します。また、産業医と会社間にも医師の守秘義務があります。


4.目的

社員の精神疾患によって企業が被る損失を予防すること。また、休職に至る疾病の場合、企業が安定した利益を生み出すために不可欠であるから職場復帰を早期に確実にすること。

5.組織

昔は、会社内の人事の一部門と、医務室精神担当医師または外部精神科医療機関が連絡を取り合って素朴に、投薬、休職、復職の相談に乗っていたものでした。しばしば退職に終わることもありました。
もっと合理的な解決はないかと提案されたのが、EAPプロバイダーです。

EAPを大別すると、「メディカル系」と「ノンメディカル系(あるいはビジネス系)」の二つがあります。
うつ病などの悩みは医療系EAP機関の得意とする分野です。
一方、「上司と性格が合わない」、「昨年異動してきたが新しい環境になじめない」といったような、企業の職場の特性が原因となる悩みについては、非医療系EAP機関が適しています。

両者を統合した形の、「統合型EAP」は今後の姿でしょう。

6.方法-1 啓蒙
外部講師が主に参加型社員研修を行ないます。項目を列挙すると、次のようになります。

A.メンタルヘルス研修
メンタルヘルスマネジメント、気づきと声かけ、セルフケア、ストレス耐性向上、傾聴実習、不調者対応・復職者対応、認知療法のエッセンスによるセルフケア

B.CSR(企業の社会的責任)・リスク管理系研修
ワークライフバランス、パワハラ・セクハラ防止など各種ハラスメント研修、リスクマネジメントとメンタルヘルス

C.ビジネス・コミュニケーション研修
新入社員研修:内定者・新人・フォロー、職場活性化プログラム、コーチング、リーダーシップ

啓蒙の効果として、個人的な問題とパフォーマンス問題の関係に気付くことで、自分の精神衛生管理が、会社のためにもなるのだと考え、メンタルヘルス意識を高めることができます。

労働組合としても、個人の健康と会社の成長の両者を実現できるわけですから、肯定的に取り組みます。会社が新しいコンセプトで最新の健康管理体制をスタートさせる事は、モラルを高めます。

7.方法-2 予防教育

A.不眠、B.食欲減退、C.憂鬱、興味減退、億劫、だるい、からだが重い、この三点はうつの始まりですから、これを予防する意味で、A.よく眠る、B.よく食べる、C.リフレッシュして楽しむ、の三点を心がけます。

まずは、「睡眠、食欲、リフレッシュ」です。

そのほか、予防に大切な点を列挙しましょう。以下の点が見られたら、「睡眠、食欲、リフレッシュ」の原点に戻ってください。

(1)欠勤および遅刻・早退
月曜日や連休などの休み明けに、体調不良を理由に欠勤や遅刻・早退しがちになります。

(2)泣き言をいう
これに対しては、おだやかな、真摯な姿勢で、「どうした、何があったの」とメンバーにまず声をかけて話を聴くのがメンタルヘルス対策の基本です。傾聴です。
「もうだめだ」「お先真っ暗だ」などと言う場合は、たとえ小さなつぶやきでも深刻です。まれに自殺の前ぶれのこともあり、安易な激励や批判、無視は危険です。


(3)能率低下
スキルや経験はあるのに仕事に集中できない。判断や決断が鈍った状態です。本来の自分なら問題なく処理できる業務にやたらと時間がかかるようになります。いつもの仕事のペースが大幅にダウンした時は要注意です。

 次のような例があげられます。

集中できない。
頭に入ってこなく
時間がかかるボーッとしたり、
イライラ・ソワソワする。
集中力の低下のため忘れている。
何回読み直しても先に進まない

うつ病による能率の低下が起こると、人間はそれをカバーしようとして、さらに長時間取り組むという悪循環が起こってしまいます。その点でも、勤務時間の把握が重要になります

(4)ミスやトラブルが増える
安易に叱責したり、無視したりするのではなく、リーダーは部下の仕事全体を注意深く観察し、普段と比べて評価する姿勢が大切です。
早期に発見するための目安は能率の低下とミスです。

従ってリーダーは、メンバーの普段からの能力を具体的に知っておく必要があります。プロジェクトのリーダーがはじめて仕事を共にするメンバーについては、元の職場の上司などから聞いておくことがポイントです。

(5)やめたいと言い出す
そんなにつらい場面ではないはずなのに、「仕事を辞めたい」「プロジェクトから降ろしてほしい」などというのは、危険なサインです。うつによるモチベーションの低下や、時には「この世から消えたい」気持ち、つまり自殺、の間接表現の場合もあるからです。
ビジネスマンは、勤務中はもとより、通帰宅しても仕事のことを考えていることが多いものです。つまり「仕事が日々の人生」なので、仕事やプロジェクトを辞めたいともらすときは、「人生から降りたい」気分にあるといえるのです。ある訴訟事例では、部下から突然に退職願が提出され、上司はそれを無視しましたが、その後自殺が起こり、問題視されました。

以上のようなポイントがあるのですが、何といってもまず睡眠が大切です。ここで睡眠の重要性について再論しましょう。

適度な睡眠時間は、個人差はあるものの、おおむね6~8時間程度とされています。そして睡眠時間が6時間未満の状態を続けている人は、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高いという統計が報告されています。メンタルヘルスへの悪影響も知られています。

ところで、一般企業における「過労」の基準をご存知でしょうか。基準の一つは、「月あたりの残業時間が2~6ヶ月連続して80時間オーバー」です。1ヶ月に平均20日働くとして、1日4時間残業したら月あたり80時間の残業になります。その場合、退社するのが21時で、通勤時間が片道1時間かかるとして、帰宅して食事して入浴して余暇の時間があって、翌朝7時に起きるとして、「月に80時間以上残業していると、平均睡眠時間が6時間を割ってしまう」ということになります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高まりますので、「月80時間以上の残業」→「過労(死)」という図式が出来上がるのです。そして、過労によるうつ病の発症、過労自殺にもつながっていきます。

残業時間が月100時間を超えると、1ヶ月でも「過労」とみなされます。その場合も、重症化のリスクが高くなります。

21時退社なら早いほうだというなら、すでに危険なのです。睡眠の質はどうでしようか?仕事が忙しくて帰りが遅くなった日、なんとなく神経が張り詰めてしまい、深夜3時まで眠れない。翌朝とても辛い。休日は「寝だめ」する。寝不足はうつ病のリスクファクターです、充分注意しましょう。

管理職の方は、部下の睡眠時間を確保するのも役目です。

食欲について一言。
ストレス時には、食欲不振にもなり、過食にもなります。偏食にもなり、場合によっては、アルコールの問題が重なります。ダイエットしているのかな?と思っていたら実はうつ状態だったということもあるのです。

8.方法-3 問題発見・評価
従来は、欠勤、遅刻、仕事のミスなどが顕在化してから、ケアシステムが動き出しました。問題が顕在化していない場合は、こころの中のことはプライベートな問題であり、会社には関係がない、仕事さえきちんとやっていればいいはずだとの考えがあったのです。そうなると、メンタルヘルス担当者は受身にならざるを得ません。しかし、顕在化してからでは、遅すぎることが多かったのです。つまり、受動的では手遅れでした。
そこで、本人の自覚に任せるのでもなく、上司の観察に頼るだけでもなく、専門医師による、より能動的で早期の発見を目指すようになっています。

精神衛生検診により、従来は手当てできていなかったタイプの軽度のこころの変調について、早期に発見して、ケアを勧めます。ストレスは本人の気づかないところで溜まっていたりするものなので、定期的に“心の健康診断”を行ないます。早期に発見すれば、休職は必要がないことも多く、休職が必要な場合も、早期に回復するケースが増加しています。

米国では、うつは誰でもなり得るものと考えられ、しかも、教会での告解の習慣も基礎にあり、カウンセリングを受けることの抵抗も少なく、受け身型の窓口で充分に効果が期待できるでしょう。さらに、宗教的な背景から、自殺を罪と考えることが自殺の抑止要因となっているようです。ところが日本の状況は大きく異なります。日本でも、『心の病』に対する理解は進んできましたが、カウンセリングという無形のものに価値を見出さない人もいるようです。また死生観の点でも、たとえば、葬式仏教と揶揄されるように、宗教による抑止要因は薄いと考えられます。
したがって、日本では、『心の病』を早期に発見し、医療が積極的に介入し自殺を防ぐ必要があります。

日本では積極的早期発見をめざしますから、職場や上司が果たす役割は米国に比べて大きいでしよう。企業の積極的な関与が大切です。これは日本の社会的・文化的な特徴にあわせた『日本型のEAP』の一例といえるでしょう。

メンタルヘルス対策や過労死予防でいえば、上司は部下の労働時間と心身の健康状態を積極的に把握し、必要に応じて勤務軽減措置をする義務があります。

職場の全員を対象にメンタルチェックを定期的に行い、対応が必要な可能性のある人にはカウンセリングや薬剤治療開始を促すという、のが現在のサービスの原型ですが、これは体の健康診断とその後の介入の流れと殆ど同じでした。そこで、このメンタルチェックを精神衛生検診として実施し、そのなかで、個人の性格の特徴とストレス状態を診断します。

9.方法-4 医学的診断、治療

A.医療機関受診まで

問題を早期発見したら、医療的介入を必要とするかどうか、判断します。たとえば、セクハラで悩んでいる人も、うつ状態を呈していたなら、医学的治療を受けるべきですし、そうでなければ、非医学的介入でよいと思います。

まず、医療的介入が必要なのかどうかの判断が難しいものです。したがって、慎重に考えるとすれば、明白に非医療的レベルのケース以外は、受診を勧めたほうがよいでしょう。医療が必要なケースと判断したとして、周囲の人は、まず受診を勧めるという大切な仕事に直面します。これがなかなかデリケートな問題です。

たとえば、仕事のミスがあり、能率も落ちている場合、眠れているならば、まず過労の可能性があり、一ヵ月ほど業務量を減らし、新しい仕事を控えるなどで対処します。本人のプライドなどの問題もあるので難しいものです。

仕事のミスがあり、能率も落ちていて、眠れないばあい、心療内科または精神科の医師への受診を勧めます。「眠れないのは不眠症かもしれないから、専門家に判断してもらおう。

病気なら治せばよいし、病気でなければそれでよい」などと話しかけ、精神病の可能性については特に言及しなくてもいいでしょう。

会社には安全配慮義務がありますから、部下に病気の可能性がある場合、受診を勧める責任は会社や管理職にあります。

心の病気、特にうつ病では最悪、自殺が起こりうるので、損害賠償請求訴訟が起こった場合、会社や管理職が、どのように安全配慮義務を履行したかが問われます。

一般論として、体の病気が疑われる場合でも、家族や友人は専門家ではありませんが、医療機関への受診を勧めます。「うつ病」もこれと同じと考えると良いでしょう。

メンタルヘルスの問題を抱える社員に対して心配している気持ちを伝えることは大切なことですが、人によっては、そのような上司からの言葉がけに対して「悪い評価につながるのではないだろうか」などと考えて警戒することもあります。また、うつ症状によって自己評価が下がっているような場合は、「余計な心配をかけてしまって、自分は何てダメなんだろう」と考えて、かえって症状を悪化させてしまったり、負担を感じてしまうこともあります。

メンタルヘルスの問題が心配な社員に対しては、まず声をかけてみることが大切ですが、声をかけたときの本人の反応はどうだったか気をつけてみることで、直接聞き出さなくてもより多くの情報を得ることができます。「大丈夫です」といったときの本人の表情はどうだったか。笑顔でうれしそうにいったのか。表情が堅く警戒した様子なのか。表情がなくなっていたのか。また、何か話したい様子なのに、なかなか言葉が出てこない感じはなかったか。(うつ症状のひとつに思考力の低下があり、頭がうまく働かず言葉がうまく出てこないことがあります)

このように、声をかけるときは言葉だけでなく言葉以外の部分に注意を払うことがとても重要になります。そして、うつ病などの心配があるなら受診を勧めつつ、本人がこちらからの声がけに負担を感じているようであれば、無理強いせず「必要なときはいつでも話を聞くから」という気持ちを伝えておくことが大切です。

B.医療機関受診後

まず、医師はどのような役割を果たすでしょうか。メンタルの場合には、産業医とは別に外部にメンタル主治医がいる場合が多いのですが、その間の役割分担と連携も大切です。以下では、利用者の役割を総合して、医師としておきます。

うつ病は薬の進歩で入院せず治るようになりましたが、多くは月単位(多くは3ヶ月以上)で休業しなければなりません。休業さらには失業という危険が生じます。医師を受診して、診断を受け、場合によっては、休職の指示をもらいます。その後、医師は復職の判定、過重労働面談を含むメンタル相談役にもあたります。実際の休職・復職に際し、家庭状況、会社の環境や制度もふまえて、医学的見地から判断するという重要な役割を果たします。職場での対応における専門的なアドバイスや、休職者・通院者の主治医が別にいる場合には、診断内容の確認や状況確認も担当します。就業上の措置として、残業の制限・仕事の変更・配置替え・休職などを助言します。厚生労務・人事グループへの助言もしごとになります。衛生委員会、健康増進施策等の取り組みの徹底にも取り組みます。

医師は社内制度や社風、社内環境を充分に理解し、従業員の休職復職判断に際して、さまざまな要件を勘案し、個々のケースに合わせた判断を下します。医師の休職復職の判断と主治医の診断を総合することで、より客観的で正確な判断が可能になります。

復職支援プログラムは、メンタル疾患による休職者の復帰を包括的にサポートします。休職者をとりまく家族や職場の上司など、サポーター同士の橋渡しとなり、円滑な職場復帰ができるように環境を整えます。
A、休職開始期
B、休職期間
C、復職開始期
D、復職後フォロー期
の4つの期間ごとに必要となる支援を考えます。
休職した社員ばかりでなく、関係者全般について、調整します。

厚生労働省による『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』をベースに従業員支援プログラムは作られています。休職者と、その人を支援する職場の関係者及び主治医、産業医等、さらに産業保健婦などパラメディカルとのネットワークづくりが大切です。

10.方法-5 コンサルテーション・カウンセリング・個別配慮

服薬と通院は一定期間で終了します。その後はメンタル主治医、産業医、EAPスタッフ、臨床心理士、産業カウンセラー、産業保健婦、厚生労務および人事スタッフが連携します。これらのスタッフで仕事を分担し情報を共有し、共通の目的に向かうようアレンジします。

関係部署間の連携がスムーズになれば、健康管理体制全般の再構築を実施し、専門的なノウハウをもとに、現状のレビューや問題点の整理、新しい基準作りのためのコンサルテーションがなされ、運用体制を整備します。既存のメンタル主治医、産業医、EAPスタッフ、臨床心理士、産業カウンセラー、産業保健婦、厚生労務および人事スタッフの連携がスムーズに行える体制になります。 結果として、早期ケアが可能になり、休職期間の短縮が実現できます。要請されるサービスに適合した、組織の再構築が必要です。

11.方法-6 休職者周辺関係者について、二次的リスクの防止

職場でも、家庭でも、二次的な影響が出ることがあります。これにも積極的に対処します。

12.方法-7 制度の整備と法的リスクマネジメント

社内の制度を整備して、医療、カウンセリング、リハビリを使いやすいものにしておく必要があります。さらにメンタルヘルスを啓蒙して、制度を有効なものにする必要があります。ここで、福利厚生にとどまらず「法的リスクマネジメント」の観点からとらえる必要もあります。精神障害での労災認定や訴訟件数の爆発的な増加、過労自殺、過労うつ病についての訴訟例からみても、対策が必要です。

厚生労働省は、心の健康問題で休業していた労働者の職場復帰支援に関する手引きを2004年10月14 日に発表しています。本手引きは実際の職場復帰に当たり、事業者が行う職場復帰支援の内容について総合的に示しており、事業者は本手引きを参考にしながら衛生委員会等において調査審議し、産業医等の助言を受けながら個々の事業場の実態に即した形で、事業場の職場復帰支援プログラムを策定し、それが組織的かつ計画的に行われるよう積極的に取り組むことが必要であるとしています。さらに、職場復帰支援に関する体制や規程の整備を行い、定められた体制や規程については、教育等の実施により労働者への周知を図る必要があるとしています。

労働安全衛生法改正では2006年4月に残業時間が月100時間を超える社員に対し医師による面談指導が義務付けられました。

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以上が概論です。



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