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現代型うつ病の構造

昔  MAD+対他配慮(利他主義・他人を信じ未来を信じる利己主義)
今  MAD+利己主義(未来を信じることができず、他人を信じることができない、利己主義)
この構造が背景にあり、病気が展開する。

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現代型うつ病としていくつかモデルが提出されていて、
それぞれ自分の診察した範囲での経験をよくまとめているのだと思う。

それはそれでいいのだが、
変わった部分と変わらない部分、それは何か。
それぞれの新しい提案の違いは何か。ドイツ、日本型うつの発生基盤は、
MAD+対他配慮である。
対他配慮のないものは、すでに別の道を用意されているのだ。
そして対他配慮を当然の基盤として、
その舞台の上で、MADが理論どおりに、
M成分が大きくなり躁状態となり、疲弊し、一時停止し、
ときにADときにaDとなり、結果として強迫性やうつ状態を呈する。
そして時間がたってMは回復し、もとの戦線に戻ってゆく。

現代では、対他配慮の教育習慣がなく、宗教がなく、会社への忠誠心がなく、会社が意味の中心という意味での宗教たり得ない。自分の生きる意味、つまり価値観の源泉は会社の外に持たなければならない。イスラムや欧米では生きる意味の中心である宗教も日本では価値の源泉ではない。
その場合に、会社に全面的な献身をするはずはない。部分的かかわりは部分的対他配慮であり、つまりは利益を未来に延長した利己主義である。

したがって、利己主義しかも宗教なしの舞台の上での、会社への部分的契約の上での、MADなのである。
これはアメリカ的でもないし、他のどことも似ていない、むしろ会社が宗教だったのだが、その会社がすでな人生の中核、意味の中心である事をやめており、会社の価値を宗教的次元で、一身を賭するものとして、信じるものはいなくなった。雇用の流動化はこのような影響を与えている。
ワークライフバランスというわけで、人生の意義は、仕事と家庭に分散し、どちらにも期待しすぎないようにといわれ、結局うつろな日々が続く。他責的に攻撃するにしても身近な人で、上司と配偶者、その近辺。

宗教なしの利己主義の舞台、そしてその上で踊られるMADのダンスが、現代型うつ病のいくつかの型である。

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各論者に共通しているのは、症状の軽症化、神経症化、恐怖症化、反応性成分の増加、不全化、部分化、
病前性格の未熟化、協調性の少なさ、趣味への逃避、部分的退却、所属感の希薄、などだろうか。
この範囲のことは、上記smapg-modelで説明できると思う。

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協調性や対他配慮は、
人間の性格の基本部分ではなく、かなり外側の応用部分かもしれない。
それはそうしたモデルが身近にいるとか、教育されるとか、そのようにして身に付けられるものなのだろう。
現在は、一つの命令に忠実に従っていれば、みんなが失敗してしまう時代であり、
それぞれに対応してもらって、生き残りを模索してもらった方がいいだろうということになっている。
そんな時代には、執着気質やティーブス・メランコリクスは育ちにくい。

新自由主義の気風、リバタリアンの気質は、執着気質やティーブス・メランコリクスとは異質である。
アメリカ型会社社会はもともと協調性を要請しなかった。独自性という存在の仕方を通じた集団参加というべきかも知れない。アメリカ型という言葉で、一般化することは間違いを多く含むだろうが。集団は、Yesというだけの協調性を要求しているのではなく、独自で主体的な集団参加を要求している。

今、後進国の情勢はどうだろう。英語文化圏は多分、ドイツ軍隊のように協調性と対他配慮の世界にはならない。中南米などの小さな国で、反アメリカで結束している人びとがいるが、協調性ゆえに自分を縛りつけるタイプとも思えない。
中国はどうだろうか。

社会が大きく変動するとき、うつ病は大量に発生するものであって、
中国も例外ではないだろう。
うつ病を吸収する宗教装置が中国には乏しい。
中国で発生するうつはどんなものか、見れば、逆に、そこからMADを非気団して、残ったものが、現代中国社会の特殊性である。
ドイツ軍国主義、日本軍国主義、日本高度経済成長の時代には「MAD+対他配慮」だった。

中国の教育と、社会の要請が、協調性を強調していれば、ドイツ、日本タイプのうつ病の可能性はある。しかしながら、ホワイトカラーの働き方も違ってきているし、党や会社も一枚岩とはいえないようで、対他配慮よりは、利己主義のほうが強い気風もあるように思う。広い国なので、濃密な教育が難しいだろう。役人の決定権が強い社会での賄賂の横行などときくと、責任感も正義感も、執着気質とは遠い気がする。
日本でもガソリン税が国交省のタクシー代に消えていたことなどを思えば、違いはない。

中国の軍隊ということに限れば、
中国軍のモデルがどこにあるかだと思う。
他民族を命令でまとめていくには、
対他配慮に頼っているわけにはいかないと考えれば、
アメリカ式になるのだろう。

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